Category Archive: 責任

2016
05/15

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幅広い知識と技術が必要

日本では、指定の教育機関で指定の課程を終了し、国家試験に合格すれば看護師になることができます。では、資格を得れば、もう看護師なのでしょうか。本当の意味で看護師になるためには、単に学校で学んだことを実践するだけでなく、患者さんのため、いっしょに働く看護師やその他のスタッフのため、よりよい看護を提供できるようにならなければなりません。

そのためには、様々な知識と技術を身につけなければなりませんが、こればかりは実践でしか身につかないものもあります。ですが、それ以外にも看護師技術を身につけるためにできることがあるはずです。

例えば、実際に患者さんと触れるケースを考えてみましょう。患者さんの状態は患者さん一人一人で違います。例えば、体が不自由な患者さんを看護する場合はどうすべきでしょうか。患者さんの食事や排泄などの、日常生活の介添えや、医師の治療の際の手伝いをすれば良いのでしょうか。確かにその通りですが、まだこれではよりよい看護とはいえません。

患者さんの体を支える際に、どのようなことに注意すべきなのか。どちらから力がかかった場合、どのように患者さんの体が流れてしまうのか。こうしたことは、看護技術のみの学習だけでは不十分かもしれません。もちろん、看護学生時代に病院などに研修を受けに行ったときに、そのような説明や実際に患者さんに触れる機会があったかもしれません。しかし、看護実習生として患者さんに触れるのと、実際に看護師となって患者さんに触れるのでは求められる看護の質も、そこにかかる責任も比較にならないほど大きくなります。

逆に言えば、こうした期待に答え、重大な責任を果たすことができるようになった時こそが、プロの看護師になったと言える瞬間なのではないでしょうか。そうなるためには、時として看護の仕事には一見すると関係なさそうな知識などを身につけておく方が良い場合があります。そして、実際に現場でどのようなことが起こるのかということに、しっかりとアンテナを張っておく必要があります。

看護師とは看護のプロです。看護に関しては他の病院スタッフ、もちろん医師も含みますが他のスタッフの及ぶところではないのです。看護のプロとして、患者さんの回復のために持てる知識と技術を最大限に発揮することが、看護師に求められることです。
それを実現するためには、あらゆる努力を惜しんではいけません。そのためには、看護師に必要な幅広い知識を身につけることが大切なのです。